エントリーシート「入社後やりたいこと」の書き方|構成・職種別例文・NG例まで解説
エントリーシートで「入社後にやりたいこと」を聞かれると、「志望動機と何が違うの?」「まだ働いたことがないのに具体的に書けない」と悩む人は多いです。やりたい職種を書くだけでよいのか、将来の夢まで書くべきなのか、迷いやすい設問でもあります。
この設問で大切なのは、単なる願望ではなく「企業理解」「自分の強み」「入社後の貢献」をつなげて伝えることです。参考記事でも、将来像だけでなくそこに至る過程を書くこと、企業の仕事や理念とずれていないこと、面接で深掘りされても説明できることが重要な論点として挙げられています。
この記事では、エントリーシートで「入社後にやりたいこと」を書くときの基本、伝わりやすい構成、NG例、文字数別の例文、職種別の考え方、面接対策までまとめて解説します。読み終えるころには、自分の志望企業に合わせた回答を組み立てやすくなるはずです。
目次
エントリーシートで「入社後にやりたいこと」が聞かれる理由
企業が「入社後にやりたいこと」を聞く理由は、学生の夢を知りたいだけではありません。採用担当者は、その回答を通じて「自社の仕事を理解しているか」「入社後の行動を具体的に考えているか」「企業への貢献まで考えられているか」を確認しようとしていると考えられます。
参考記事では、「入社後にやりたいこと」は将来像だけでなく、そこに至る過程まで含めて書くことが重要だとされています。また、企業の仕事を理解したうえで、企業にどう貢献できるのかを書くこともポイントとして挙げられています。
新卒採用では、入社時点で即戦力の経験が十分にある学生ばかりではありません。そのため、現時点の能力だけでなく、入社後にどのように学び、どのような役割を担っていきたいのかまで示せると、将来像をより具体的に伝えやすくなります。
「入社後にやりたいこと」は、志望動機・自己PR・ガクチカともつながります。たとえば、ガクチカで課題発見力を伝えた人が、入社後に商品企画で顧客課題を解決したいと書けば、一貫性が生まれます。一方で、自己PRではチームで成果を出す力を強調しているのに、入社後の目標が個人プレー中心だと、印象が弱くなることがあります。
採用担当者に見られやすい観点として、次のように整理できます。ただし、これは参考記事の内容をもとにした実践的な整理であり、すべての企業が同じ基準で評価しているという意味ではありません。
| 観点 | 確認されやすいこと |
|---|---|
| 企業理解 | 事業内容・職種・業務の流れを理解しているか |
| 志望度 | なぜその企業で実現したいのかが説明できるか |
| 再現性 | 学生時代の経験や強みを入社後に活かせそうか |
| 成長可能性 | 短期・中長期の成長イメージを持てているか |
つまり、「やりたいこと」を書く設問に見えて、実際には「なぜこの会社で、どのように価値を出したいのか」を問われていると考えると、回答を組み立てやすくなります。

「入社後にやりたいこと」と志望動機の違い
「入社後にやりたいこと」と「志望動機」は似ていますが、焦点が少し違います。
志望動機は「なぜその企業を志望するのか」を説明する項目です。一方で、入社後にやりたいことは「入社後にどんな仕事へ取り組み、どのように貢献したいのか」を説明する項目です。
| 項目 | 主に答える問い | 書く内容 |
|---|---|---|
| 志望動機 | なぜこの企業なのか | 業界・企業に惹かれた理由、価値観との一致 |
| 入社後にやりたいこと | 入社後に何をしたいのか | 取り組みたい業務、実現したい価値、貢献方法 |
| 自己PR | 自分の強みは何か | 強み、根拠となる経験、仕事での活かし方 |
| ガクチカ | 学生時代に何を頑張ったか | 行動プロセス、成果、学び、再現性 |
ただし、完全に切り離して考える必要はありません。むしろ、4つの項目が自然につながっていると、エントリーシート全体の説得力が上がります。
たとえば、次のようなつながりです。
- ガクチカ:アルバイトで顧客の不満を分析し、接客改善に取り組んだ
- 自己PR:相手の課題を聞き出し、改善策を実行する力がある
- 志望動機:顧客起点でサービス改善を続ける企業姿勢に惹かれた
- 入社後にやりたいこと:営業として顧客の声を拾い、将来的にはサービス企画に活かしたい
このように整理できると、「入社後にやりたいこと」が急に思いついた願望ではなく、過去の経験から自然につながる目標として伝わります。
高評価につながる基本構成
エントリーシートで読みやすく伝えるには、結論から書く構成が有効です。参考記事でも、PREP法として「結論、理由、具体例、再結論」の順番が紹介されています。就活の文章では、採用担当者が短時間で内容を把握できるよう、最初に言い切ることを意識しましょう。
おすすめの構成は、次の5ステップです。
| 順番 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 結論 | 入社後は法人営業として顧客課題の解決に取り組みたい |
| 2 | 理由 | 顧客と長期的な信頼関係を築く仕事に魅力を感じている |
| 3 | 根拠 | 学生時代の経験や強み |
| 4 | 企業との接点 | その企業の事業・職種・理念・強みとのつながり |
| 5 | 貢献 | 入社後どのように価値を出したいか |
1. 最初に「何をやりたいか」を明確にする
冒頭は、できるだけ具体的に書きましょう。
避けたいのは「貴社で多くの人を笑顔にしたいです」のように、抽象的すぎる表現です。気持ちは伝わりますが、どの仕事で、誰に、どのような価値を届けたいのかが見えません。
たとえば「入社後は法人営業として、顧客企業の業務課題を深く理解し、最適なサービス提案を通じて継続的な成果に貢献したいです」のように、職種・対象・提供価値が入っていると、読み手がイメージしやすくなります。
2. なぜそれをやりたいのかを説明する
やりたいことを書いたら、次に理由を説明します。ここで大切なのは、「かっこいいから」「成長できそうだから」だけで終わらせないことです。
理由には、自分の経験や価値観を入れましょう。
たとえば、ゼミで地域課題を調査した経験があるなら、「現場の声をもとに課題を整理し、解決策を考えることにやりがいを感じた」と書けます。アルバイトで後輩育成をした経験があるなら、「人の成長を支える仕組みづくりに関心を持った」とつなげられます。
3. 企業研究の結果を入れる
「入社後にやりたいこと」は、どの企業にも使える内容だけでは説得力が弱くなりがちです。企業研究で得た情報を入れ、その企業で実現したい理由を示しましょう。
見るべき情報源は、次の順番で整理すると効率的です。
| 優先度 | 情報源 | 確認すること |
|---|---|---|
| 高 | 採用サイト | 職種内容、求める人物像、社員紹介 |
| 高 | 企業公式サイト | 事業内容、理念、中期計画、サービス |
| 中 | 説明会・OB/OG訪問 | 実際の仕事内容、若手の役割、現場の考え方 |
| 中 | IR資料・ニュース | 成長領域、今後注力する事業 |
| 低 | 口コミサイト | 雰囲気の参考。ただし事実確認は慎重に行う |
企業研究は、企業を褒めるためではなく、自分の目標と企業の方向性が合っているかを確認するために行います。

書く前に整理すべき3つの材料
いきなり文章を書き始めると、抽象的な内容になりやすいです。まずは「自分」「企業」「接点」の3つを整理しましょう。
自分の経験と強み
まず、自分がどのような場面で力を発揮してきたのかを振り返ります。参考記事では、ガクチカを伝える際に経験を構造化することが重要だとされています。入社後にやりたいことを書く場合も、過去の経験を整理しておくと、目標に根拠を持たせやすくなります。
次の項目でメモしてみましょう。
- 何に取り組んだか
- なぜ取り組んだか
- どのような課題があったか
- どのような行動をしたか
- どんな成果・学びがあったか
- その経験は仕事でどう活かせるか
ここで重要なのは、成果の大きさだけではありません。成果に至るまでの考え方や行動を説明できると、入社後の再現性につなげやすくなります。
企業の仕事内容
次に、志望企業で実際にどのような仕事があるのかを調べます。
たとえば「商品開発をしたい」と書きたい場合でも、新卒入社後すぐに商品開発へ配属されるとは限りません。参考記事でも、メーカーの商品開発を例に、まず営業などを経験して現場のニーズを捉える流れが紹介されています。その場合は、「まず現場で顧客ニーズを理解し、将来的に商品企画へ活かしたい」と書くほうが現実的です。
企業の仕事内容を理解していないと、入社後にできることと大きくずれた回答になってしまいます。
自分と企業の接点
最後に、自分の経験・強みと、企業の仕事内容をつなげます。
| 自分の強み | つなげやすい仕事 | 入社後の表現例 |
|---|---|---|
| 課題発見力 | 企画、コンサル、営業 | 顧客の課題を整理し、解決策を提案したい |
| 継続力 | 研究開発、エンジニア、品質管理 | 地道な検証を重ね、よりよいサービスづくりに貢献したい |
| 巻き込み力 | 営業、人事、プロジェクト推進 | 関係者を巻き込み、チームで成果を出したい |
| 分析力 | マーケティング、データ分析 | データをもとに顧客理解を深め、施策改善に活かしたい |
| 傾聴力 | 接客、営業、カスタマーサクセス | 顧客の声を丁寧に拾い、信頼関係を築きたい |
この接点が明確になると、文章に説得力が出ます。
「入社後にやりたいこと」の書き方テンプレート
ここでは、すぐに使えるテンプレートを紹介します。丸写しではなく、自分の経験や企業研究の内容に合わせて調整してください。
基本テンプレート
入社後は、〇〇職として△△に取り組み、□□に貢献したいです。
私はこれまで、〇〇の経験を通じて、△△の重要性を学びました。
貴社は〇〇という強みを持ち、△△に注力している点に魅力を感じています。
入社後はまず〇〇を身につけ、将来的には△△を実現できる人材になりたいです。
このテンプレートのポイントは、短期と中長期の両方を入れられることです。入社直後に何を学ぶのか、将来的に何を実現したいのかを書くことで、現実性と成長意欲の両方が伝わりやすくなります。
200字テンプレート
入社後は、〇〇として△△に取り組みたいです。学生時代に〇〇を経験し、△△の重要性を学びました。貴社は〇〇に強みを持ち、顧客に□□を提供している点に魅力を感じています。まずは現場で知識と提案力を磨き、将来的には〇〇を通じて貴社の成長に貢献したいです。
200字では、細かいエピソードを入れすぎないことが大切です。結論、理由、企業との接点、貢献を一文ずつ入れるイメージでまとめます。
300字テンプレート
入社後は、〇〇職として顧客の△△を解決する仕事に取り組みたいです。私は学生時代、〇〇の活動で相手の課題を聞き出し、改善策を実行する経験をしました。その中で、表面的な要望だけでなく背景まで理解することで、より納得度の高い提案ができると学びました。貴社は〇〇領域で幅広い顧客基盤を持ち、△△に力を入れている点に魅力を感じています。入社後はまず現場で商品知識と提案力を磨き、将来的には顧客の声をサービス改善にもつなげられる人材になりたいです。
300字では、自分の経験を少し具体的に入れられます。面接で深掘りされたときに話せる経験を選びましょう。
400字テンプレート
入社後は、〇〇職として顧客の課題を深く理解し、最適な提案を通じて長期的な信頼関係を築きたいです。私は学生時代、〇〇でリーダーを務め、利用者の声をもとに運営方法を改善しました。当初は参加率が低いことが課題でしたが、個別に意見を聞き、参加しづらい理由を整理したうえで、告知方法と当日の役割分担を見直しました。その結果、参加者が増え、相手の立場に立って課題を捉える大切さを学びました。貴社は〇〇事業において、顧客ごとに異なる課題へ柔軟に向き合っている点に魅力を感じています。入社後はまず営業として商品知識と業界理解を深め、将来的には現場で得た顧客ニーズを新しい提案やサービス改善に活かし、貴社の事業拡大に貢献したいです。
400字では、課題・行動・学びまで入れられます。ただし、ガクチカそのものにならないよう、最後は必ず入社後の貢献に戻しましょう。

NG回答と改善ポイント
「入社後にやりたいこと」は、前向きに書いているつもりでも伝わりにくい回答があります。ここでは、参考記事で指摘されているNGの方向性をもとに、代表的な例と改善ポイントを整理します。
| NG回答 | なぜ弱いか | 改善ポイント |
|---|---|---|
| やりたいことを羅列する | 優先順位や理由が見えない | 1つに絞り、理由と貢献まで書く |
| 企業を褒めるだけ | 自分が何をするのかがない | 企業の強みを踏まえ、自分の行動に接続する |
| 理念に合わない内容 | ミスマッチに見える可能性がある | 企業理念・事業方針と矛盾がないか確認する |
| 非現実的な願望だけ | 仕事内容の理解が浅く見える可能性がある | 入社後のステップを具体化する |
| どの企業にも使える内容 | 志望理由が伝わりにくい | その企業ならではの事業・職種を入れる |
NG例1:やりたいことだけを書く
私は入社後、商品企画、海外事業、マーケティングに挑戦したいです。さまざまな仕事を経験し、幅広く成長したいと考えています。
この回答は意欲はありますが、何を一番実現したいのかが見えません。採用担当者からすると、配属希望の羅列に見えてしまう可能性があります。
改善するなら、次のように焦点を絞ります。
入社後はまず営業として顧客ニーズを直接理解し、将来的にはその声を商品企画に活かしたいです。学生時代の〇〇経験から、利用者の声をもとに改善を行うことにやりがいを感じました。貴社の〇〇事業では、現場起点の商品づくりを重視していると理解しており、顧客に近い立場で経験を積みながら価値ある商品づくりに貢献したいです。
NG例2:企業を褒めるだけ
貴社は業界トップクラスの技術力を持ち、社員の方々も魅力的です。そのような素晴らしい環境で働きたいです。
企業への好意は伝わりますが、自分が何をしたいのか、どう貢献するのかが不足しています。
改善するなら、企業の強みを自分の行動に結びつけます。
貴社の技術力を活かし、顧客の業務効率化に貢献できる提案に取り組みたいです。私はゼミで〇〇を分析した経験から、複雑な情報を整理し、相手にわかりやすく伝えることに強みがあります。入社後は技術への理解を深め、顧客が抱える課題に対して最適な解決策を提案できる人材を目指します。
NG例3:現実性がない
入社後すぐに新規事業を立ち上げ、世界中で使われるサービスを作りたいです。
大きな目標自体は悪くありません。ただし、入社直後に何を学び、どのような段階を踏むのかがないと、現実味に欠ける印象になることがあります。
改善するなら、短期と長期を分けます。
将来的には新規事業の創出に携わりたいです。そのために入社後はまず既存事業の営業・運用を通じて、顧客課題や収益構造への理解を深めたいと考えています。現場で得た知見をもとに、将来的には貴社の強みを活かした新しい価値提供に挑戦したいです。
職種別の例文
ここからは、職種別に「入社後にやりたいこと」の例文を紹介します。以下は職種ごとの書き方を考えるための実践例です。企業ごとの評価基準を示すものではないため、自分の志望企業の仕事内容や採用情報に合わせて調整してください。
営業職の例文
入社後は、法人営業として顧客の課題を深く理解し、長期的な信頼関係を築ける人材になりたいです。私はアルバイトで接客改善に取り組み、お客様の要望を聞くだけでなく、背景にある不満を考えることの大切さを学びました。貴社は幅広い商材を通じて顧客ごとに異なる課題へ提案できる点に魅力を感じています。入社後は商品知識と業界理解を磨き、顧客にとって最適な提案を行うことで、継続的な取引拡大に貢献したいです。
営業職では「売りたい」だけでなく、顧客の課題をどう理解し、どう貢献したいのかまで書くと、仕事への理解が伝わりやすくなります。
企画・マーケティング職の例文
入社後は、顧客データや現場の声をもとに、より多くの人に選ばれるサービス企画に携わりたいです。私はゼミ活動でアンケート調査を行い、数値だけでは見えない利用者の心理を聞き取ることに取り組みました。その経験から、データと生の声を組み合わせて課題を捉える重要性を学びました。貴社は〇〇領域で多様な顧客接点を持っているため、入社後はまず現場理解を深め、将来的には顧客起点の企画で事業成長に貢献したいです。
企画職を希望する場合も、いきなり企画だけを主張するのではなく、現場理解を経て貢献する流れにすると現実的に伝わりやすくなります。
エンジニア職の例文
入社後は、ユーザーが安心して使えるサービス開発に携わりたいです。大学ではプログラミングを学び、チーム開発で使いやすさと保守性を両立する難しさを経験しました。特に、利用者の声をもとに画面設計を改善したことで、技術は課題解決の手段であると実感しました。貴社の〇〇サービスは日常の課題解決に直結しているため、入社後は開発スキルを磨きながら、ユーザー視点を持ったエンジニアとして価値提供に貢献したいです。
エンジニア職では、技術名だけでなく「何のために開発するのか」を書くと、入社後の貢献が伝わりやすくなります。
研究開発職の例文
入社後は、研究開発職として社会に役立つ製品の品質向上に貢献したいです。私は研究活動で、仮説を立てて検証し、結果をもとに改善を重ねる姿勢を身につけました。成果が出ない時期もありましたが、条件を一つずつ見直すことで課題を整理できるようになりました。貴社は〇〇分野で高い技術力を持ち、製品を通じて社会課題の解決に取り組んでいる点に魅力を感じています。入社後は専門知識を深め、粘り強い検証を通じて製品価値の向上に貢献したいです。
研究経験は専門的になりやすいため、非専門の採用担当者にも伝わる言葉に置き換えることを意識しましょう。
人事・教育職の例文
入社後は、人材育成に関わる仕事を通じて、社員一人ひとりが力を発揮できる環境づくりに貢献したいです。私はサークルで後輩育成を担当し、相手によってつまずくポイントや意欲の源泉が異なることを学びました。貴社は若手の挑戦機会を大切にしている点に魅力を感じています。入社後はまず現場で事業理解を深め、将来的には社員の成長を支える制度や研修づくりに携わりたいです。
人事職を志望する場合も、最初から制度設計だけを語るのではなく、事業理解や現場経験の必要性を入れると、目標までの過程が伝わりやすくなります。

業界別に見る書き方のポイント
同じ「入社後にやりたいこと」でも、業界によって仕事内容や価値提供の流れは異なります。ここでは、業界研究をESに落とし込むための実践的な整理として、代表的な観点を紹介します。すべての企業に当てはまる評価基準ではないため、最終的には各社の採用情報や仕事内容に合わせて調整してください。
| 業界 | 書き方で意識したい観点 |
|---|---|
| メーカー | 商品・技術・現場ニーズをどうつなげたいか |
| 商社 | 関係者との信頼関係や調整をどう活かしたいか |
| IT | 技術を使って誰のどんな課題を解決したいか |
| 金融 | 顧客の課題や意思決定をどう支えたいか |
| 広告・マスコミ | 誰にどのような情報・体験価値を届けたいか |
| コンサル | 課題特定、仮説検証、クライアント貢献をどう実現したいか |
| 航空・旅行 | 顧客体験やチーム連携にどう関わりたいか |
メーカーであれば、「商品開発をしたい」だけでなく、営業や生産現場で顧客ニーズを学び、将来的に商品づくりへ活かす流れが考えられます。これは参考記事のメーカー例とも整合する考え方です。
商社であれば、自社で製品を作るというより、メーカー・顧客・販売先など複数の関係者をつなぐ役割が大きいケースがあります。そのため、調整力や信頼関係構築に触れると、業務理解を示しやすくなります。
IT業界では、技術そのものへの関心だけでなく、ユーザーや企業の課題をどう解決するのかを書くとよいでしょう。金融や広告・マスコミなども、業界の一般イメージだけで書くのではなく、志望企業の具体的な事業や職種に合わせて表現を調整することが大切です。
業界研究をするときは、「その業界が何で利益を生み、誰に価値を届けているのか」を押さえると、入社後にやりたいことが具体化しやすくなります。
企業研究をESに落とし込む方法
企業研究をしても、エントリーシートにどう書けばよいかわからない人は多いです。企業研究は、調べた情報をそのまま並べるのではなく、自分の目標と接続して使います。
企業研究で見るべきポイント
最低限、次の5つは確認しましょう。
- 主な事業内容
- 募集職種の仕事内容
- 企業理念・大切にしている価値観
- 今後注力している領域
- 若手社員のキャリア例
たとえば、採用サイトの社員インタビューで「若手でも顧客折衝を任される」と書かれていた場合、「若手から挑戦できる環境に魅力を感じました」で終わるのはもったいないです。
次のように、自分の行動に落とし込みます。
若手のうちから顧客折衝を任される環境で、早期に現場理解と提案力を磨きたいです。学生時代に〇〇で相手の課題を聞き出す経験をしたため、入社後も顧客の声に向き合い、信頼される提案を積み重ねたいと考えています。
OB・OG訪問で聞くとよい質問
企業研究を深めるには、OB・OG訪問も有効です。質問するなら、次のような内容がおすすめです。
- 入社1年目はどのような業務を担当しましたか
- 若手のうちに身につけるべき力は何ですか
- 活躍している人に共通する行動はありますか
- 仕事で難しいと感じる場面はどこですか
- その企業らしさを感じる瞬間はありますか
これらの情報は、「入社後にやりたいこと」の現実性を高める材料になります。ただし、OB・OGの話をそのまま一般化しすぎず、一例として自分の考えを深めるために使いましょう。

面接で深掘りされる質問と答え方
エントリーシートに書いた内容は、面接で深掘りされる可能性があります。参考記事でも、ESと面接は連動しており、書く段階で深掘りに答えられるよう設計することが重要だとされています。
よく聞かれる質問は、次のように整理できます。
| 系統 | 質問例 | 確認されやすいこと |
|---|---|---|
| 動機 | なぜそれをやりたいのですか | 価値観、志望理由 |
| 理解 | その仕事は具体的に何をすると思いますか | 職種理解、企業研究 |
| 再現性 | あなたのどの経験が活かせますか | 強み、入社後の活躍可能性 |
| 現実性 | 希望部署でない場合はどうしますか | 柔軟性、成長意欲 |
| 将来像 | 5年後・10年後にどうなりたいですか | 中長期の視点 |
「なぜそれをやりたいのですか」への答え方
この質問では、過去の経験から話すと説得力が出ます。
学生時代に〇〇を経験し、相手の課題を理解して改善することにやりがいを感じたためです。特に、相手が言葉にできていない不満を整理し、解決策を提案できたときに価値を感じました。入社後も、顧客の課題に向き合う仕事でこの経験を活かしたいと考えています。
「興味があるから」だけでなく、なぜ興味を持ったのかまで説明しましょう。
「希望する仕事ができない場合はどうしますか」への答え方
この質問はよくあります。ここで「希望職種でなければ困ります」と答えると、配属リスクに弱い印象になる可能性があります。
答えるときは、最終的な目標は持ちつつ、どの部署でも学ぶ姿勢を示しましょう。
将来的には〇〇に携わりたいと考えていますが、そのためにもまずは配属された部署で事業理解と顧客理解を深めたいです。どの業務でも貴社の価値提供を支える経験になると考えているため、目の前の仕事で成果を出しながら、将来の目標につなげていきたいです。
「5年後・10年後はどうなりたいですか」への答え方
参考記事では、5年後・10年後など長期的な目標を問う設問があることにも触れられています。聞かれた場合は、年次ごとの成長イメージを持って答えるとよいでしょう。
5年後には、担当領域で顧客から信頼される営業担当になりたいです。そのために、入社後は商品知識と業界理解を徹底して身につけます。10年後には、現場で得た顧客課題をもとに、チームや事業全体の提案力向上にも関われる人材を目指したいです。
大きな目標を書く場合も、そこに至る過程を示すことが大切です。
成功するESと失敗するESの違い
ここでは、同じテーマでも印象が分かれやすいポイントを比較します。これは参考記事の要点をもとにした編集上の整理であり、すべての企業に共通する絶対的な評価基準ではありません。ESを見直す際のチェック観点として活用してください。
| 観点 | 失敗しやすいES | 伝わりやすいES |
|---|---|---|
| 結論 | 抽象的で何をしたいかわからない | 職種・対象・価値が明確 |
| 理由 | 憧れやイメージだけ | 経験や価値観に基づいている |
| 企業理解 | 企業を褒めるだけ | 事業・業務内容と接続している |
| 貢献 | 成長したいで終わる | 企業や顧客への価値が書かれている |
| 現実性 | 入社直後から大きな夢だけを書く | 短期と中長期のステップがある |
失敗しやすい例
私は貴社で世界に影響を与える仕事がしたいです。貴社は業界でも有名で、社員の方々も魅力的だと感じました。入社後はさまざまな仕事に挑戦し、大きく成長したいです。
この文章は、どの企業にも当てはまりやすく、具体的な職種や貢献が見えません。
改善した例
入社後は、法人営業として顧客の業務課題を把握し、貴社のサービスを通じて課題解決に貢献したいです。私は学生団体で協賛企業との調整を担当し、相手の目的を理解したうえで提案内容を変える重要性を学びました。貴社は〇〇領域で多様な企業の業務改善を支援しているため、入社後は業界知識と提案力を磨き、顧客から継続的に信頼される営業担当を目指したいです。
改善後は、やりたい仕事、根拠となる経験、企業との接点、貢献が入っています。このように、願望だけで終わらせず、過程と貢献まで示すことを意識しましょう。

書いた後のチェックリスト
エントリーシートを書き終えたら、提出前に必ず見直しましょう。特に「入社後にやりたいこと」は、抽象的な表現が残りやすい項目です。
次のチェックリストを使って確認してください。
- 冒頭で「何をやりたいか」が明確になっているか
- その仕事をやりたい理由が書かれているか
- 自分の経験や強みとつながっているか
- 志望企業ならではの要素が入っているか
- 企業への貢献が書かれているか
- 入社直後と将来のステップに無理がないか
- 企業理念や仕事内容と矛盾していないか
- 面接で深掘りされても答えられるか
- 文字数に対して情報を詰め込みすぎていないか
- 「成長したい」だけで終わっていないか
特に注意したいのは、「成長したい」という表現です。成長意欲は大切ですが、企業は学生を成長させるためだけに採用するわけではありません。成長した結果、顧客や企業にどう貢献するのかまで書きましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. やりたいことがまだ明確でない場合はどうすればいいですか?
無理に大きな夢を作る必要はありません。まずは、興味のある業務、活かしたい強み、企業の事業内容を整理しましょう。「将来的に何をしたいか」まで明確でなくても、「入社後まず何を学び、どのように貢献したいか」が書ければ十分です。
たとえば、「まずは営業として顧客理解を深め、将来的にサービス改善にも関わりたい」のように、段階的に書くと現実的です。
Q2. 希望職種が決まっていない総合職ではどう書けばいいですか?
総合職の場合は、特定の部署に限定しすぎず、仕事で実現したい価値を軸に書くのがおすすめです。
たとえば、「顧客の課題を理解し、社内外の関係者を巻き込みながら解決に導きたい」と書けば、営業・企画・事業推進など複数の職種に通じます。そのうえで、「まずは配属先で事業理解を深めたい」と加えると柔軟性も伝わります。
Q3. 「入社後にやりたいこと」と「将来の夢」は同じですか?
近い部分はありますが、同じではありません。将来の夢は長期的な目標を含みますが、入社後にやりたいことは、その企業でどのような業務に取り組み、どう貢献したいかが中心です。
大きな夢を書く場合も、入社後の具体的な行動に落とし込むことが大切です。
Q4. 企業理念に合わせすぎても大丈夫ですか?
企業理念との一致は大切ですが、合わせすぎると自分らしさがなくなります。企業が求める人物像に寄せるために、経験を大きく見せたり、本心と違う内容を書いたりするのは避けましょう。
自分の経験や価値観の中から、企業と自然につながる部分を選ぶことが重要です。
Q5. 面接でESと違うことを話してもよいですか?
大きく矛盾しなければ問題ありません。面接では、ESに書ききれなかった背景や具体例を補足する場面もあります。ただし、ESでは営業をやりたいと書いたのに、面接では企画しか興味がないと話すなど、方向性が変わると一貫性を疑われる可能性があります。
ES作成時点で、面接で聞かれそうな質問への答えも準備しておきましょう。

まとめ
エントリーシートの「入社後にやりたいこと」は、単に希望職種や夢を書く欄ではありません。企業の仕事を理解し、自分の経験や強みを活かして、入社後にどのように貢献したいのかを伝える設問だと考えましょう。
書くときは、まず結論で「何をやりたいか」を明確にし、その理由、自分の経験、企業との接点、入社後の貢献までつなげることが大切です。短期的に学びたいことと、中長期的に実現したいことを分けて書くと、現実性のある回答になります。
また、やりたいことの羅列、企業を褒めるだけの文章、仕事内容とずれた願望は避けましょう。提出前には、企業研究の内容が自分の言葉で反映されているか、面接で深掘りされても答えられるかを確認してください。
「入社後にやりたいこと」は、過去の経験と未来の目標をつなぐ設問です。自分らしい経験をもとに、志望企業でどのように価値を出したいのかを具体的に伝えましょう。
目次
著者プロフィール
株式会社ガクシーのガクシーインターン編集部です。インターンや就活に関わる情報を発信しています。
